訴状とは
「訴状」とは、民事訴訟において訴えを起こした人が「訴える相手方とその内容」を記載した書面のことです。
訴状は裁判所に提出し、裁判所から相手方に送られます。
訴状の書式
裁判所には訴状(少額訴訟用)の書式が用意されています。
民事訴訟・少額訴訟で使用する書式 - 裁判所しかし、詐欺被害の訴えは用意された書式では説明しきれないケースも多いですので、できるだけご自身で作成した方がよろしいです。
どうしても自分では作れなさそう、という方は弁護士(司法書士)に作成を依頼したほうが無難かもしれません。
訴状は手書きでも構いませんが、すぐに修正できるようにできるだけパソコンの「Word」で作成・プリントアウトしましょう。
また、裁判関係の書類は、
- フォント12ポイントで作成
- A4用紙に片面記載
で作成するとの決まりがあります。複数枚にわたる場合は左端をホチキスで綴じて下さい。
訴状の記載事項
①タイトルと日付、宛先、記名
まず最初に「訴状」とのタイトル、その下に提出する日付、提出先の裁判所名を記載します。
さらにその下にご自身の名前を記名し、押印をして下さい。
②当事者の表示
民事訴訟では、訴えを起こした人を「原告」、訴えられた人を「被告」と言います。原告にはご自身の氏名・住所、被告には相手方の氏名・住所を記載して下さい。
また、ご自身の住所には裁判所からの送付先となるように「(送達場所)」との記載、連絡先電話番号・FAX等の記載を追加して下さい。
③事件名・請求額・印紙額
事件名はできるだけ請求の内容に沿った事件名にします。
詐欺被害の場合、「損害賠償請求事件」「貸金請求事件」「不当利得返還請求事件」等が考えられますが、ご自身の被害内容にあった事件名にして下さい。
請求額は原告が被告に請求する額です。また、裁判には印紙代が必要になり、訴状にも印紙代の額を記載しなければなりません。
印紙代は請求額によって異なりますが、裁判所の下記ページにて確認することができます。
④請求の趣旨
請求の趣旨は、裁判の判決主文に該当する形式で記載する決まりとなっており、以下のように書きます。
1 被告は、原告に対し、金○○万円の金員を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
3 この判決は仮に執行することができる。
との判決を求める。
※被告が複数名いる場合は、被告の人数分を記載(被告1、被告2、被告3など)し、「連帯して」という文言を入れます。
「金○○円」は請求する額を記載し、遅延損害金(遅延利息)を請求する場合は「金○○円」と「金員」の間に以下のような文言を付け加えます。
「ならびに本訴状送達の日の翌日から支払済みまで年〇分の割合による」
「年〇分(年〇%)」が遅延利息であり、原則として相手方が遅滞の責任を負った時点の法定利率(変動制)を記載します。仮の執行を求めるとは、判決が出た時点で差押を可能にする宣言を裁判所に求めると言うことです。
⑤請求の原因
請求の原因は訴状の記載事項において最も難しい部分です。
[法的な根拠づけ]で行ったことを参考に記載して下さい。
以下のように分けると比較的作成しやすいかと思います。
- 被告について
- 本件経緯
- 被告の責任
- 結論
⑥証拠方法・附属書類
証拠方法には請求の内容を証明するための証拠類を記載し、「甲第1号証」「甲第2号証」「甲第3号証」という書き方をします。
また、付属書類は裁判所に提出する書類、具体的には、証拠類、原告の住民票、会社登記事項証明書などを記載します。[証拠の収集・保全]で行ったことを参考に記載して下さい。
※訴状サンプルを掲載致しますのでご参考下さい。