マルチ商法・ねずみ講と詐欺

マルチ商法

マルチ商法&ねずみ講とは

マルチ商法は加盟者が新たに加盟者を誘うことでピラミッド型の商品販売・サービス提供組織を構成して連鎖的に販売を行う商法のことです。

新しく加盟者を参加させたものは紹介料が得られたり、新たな加盟者と「親と子」の関係を構成して子の売り上げに応じて報酬を得ることができたりします。

マルチ商法は[特定商取引法]における「連鎖販売取引」として規定されており、現状では違法ではありませんが、もともとは違法である「ねずみ講」の仕組みを利用しておりトラブルの多い商法として有名です。

マルチ商法という言葉のイメージが悪いためか、近年では「ネットワークビジネス」や「MLM(マルチ・レベル・マーケティング)」等の言い方をされることも多くなっています。

マルチ商法とねずみ講との違い

「ねずみ講」は法律では「無限連鎖講」と呼ばれ、違法となっています。

(目的)
第一条 この法律は、無限連鎖講が、終局において破たんすべき性質のものであるのにかかわらずいたずらに関係者の射幸心をあおり、加入者の相当部分の者に経済的な損失を与えるに至るものであることにかんがみ、これに関与する行為を禁止するとともに、その防止に関する調査及び啓もう活動について規定を設けることにより、無限連鎖講がもたらす社会的な害悪を防止することを目的とする。

無限連鎖講の防止に関する法律 | e-Gov法令検索より

ねずみ講のシステムは会員を増やし続けて入会金を得ることのみでお金を儲けます。
つまり最終的に破綻が確実(人口が有限なため会員を増やせなくなる)にもかかわらず射幸心を煽り加入者に損失を与えるため違法とされているということです。

マルチ商法は会員が「商品」を売るため違法ではありません。但し実質はねずみ講であるのにマルチ商法と称するケースもあるようです。

マルチ商法の手口

子の売り上げから自動的に手に入る報酬を誘い文句にするのが常套手段ですが、自分で商品を購入して販売しなければならず、販売のノルマが課されている場合は販売組織のピラミッドの頂点に近い人だけが不労所得を得て中層・下層の人たちはノルマに追われるだけというのが実態のようです。

悪質なマルチ商法の場合、集会やセミナーを開いて洗脳を使用するケースや退会されると報酬が減るため退会させないようにしたりするケースもあります。

また、家族や親類、友人、同僚など自分の身の回りの人にマルチ商法への参加を勧めることで人間関係崩壊に至る例が数多くあると言われています。

詐欺とねずみ講・マルチ商法のシステム

「会員を増やすことによって自らの取り分が増える」というねずみ講やマルチ商法のシステムは投資系詐欺などによく利用されます。

通常の詐欺詐欺+マルチ方式
通常の詐欺の図詐欺+マルチ商法の図

被害者が自分たちで被害者を増やしてくれる形となり、詐欺の大元にとっては一石二鳥、もともとはねずみ講が多くの被害者を生んだ詐欺システムなので相性が良いのも当然です。

詐欺の被害者が意図せず加害者にもなってしまう典型的な例と言えます。

詐欺に使われるネタとしては、著作権や広告権など「権利を購入することで収入が得られる」という例がみられます。

ねずみ講が違法となっても類似の詐欺はなくなりません。ただでさえ怪しげな投資話にマルチのシステムが加わると危険度はかなり高いとお考え下さい。

マルチ商法の被害にあった場合

マルチ商法において特徴的なのは「他人を勧誘して会員にさせる」ことによって報酬が得られるというところです。
この勧誘にあたって同法で禁止されている行為があります。

  • 不実の告知
  • 重要事項の不告知

勧誘されるにあたり、不実の告知や重要事項の不告知があった場合は契約の取消が可能です。

誘われたけど契約を解除したいという時は特定商取引法におけるクーリングオフによる解除を行うことが可能です。連鎖販売取引のクーリングオフ期間は書面を受け取ってから20日間となっています。

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関連項目