探偵による詐欺とは
探偵事務所を装い、依頼を受けても実際には調査を行わず依頼料だけもらって連絡を断つ詐欺など。特に料金全額先払いの探偵は要注意です。
ちなみに探偵業法ができるまでは暴力団が探偵事務所を経営していることもあったようです。(※現在は法律上、暴力団員は探偵事務所を経営できません。)
悪徳探偵による詐欺の手口
(自称)探偵による詐欺が行われやすいケースには以下のものがあります。
盗聴発見調査
「盗聴電波があなたの家から出ているので調査させてほしい」などと言い、自ら持参した盗聴器をさも発見したかのように見せかけて料金を詐取するなど。
インターネットの誹謗中傷対策
5ch などの匿名掲示板や Twitter などのSNSで誹謗中傷された場合に、書き込んだ人の住所特定及び削除対策をすると謳い、いつまでも結果は出ずに中傷書き込みの削除も行われない(実際はできないため)まま最後は連絡を断たれます。
別れさせ工作
別れさせ工作とは、交際相手がいる対象者に工作員が接近し恋愛関係に持ち込むなどして交際相手と別れさせる工作です。
大抵の場合、工作が成功するかどうかにかかわらず料金がかかります。
依頼者は実際に工作が行われたかどうかを確認する方法が基本的にないため、工作が行われずに料金だけ取られる詐欺に遭いやすいと考えられます。
調査員の水増し
探偵は尾行・張込する調査員の人数で調査料金が決まるケースが多いです。
調査員の水増しとは、例えば3名で調査する契約を交わしその分の料金を受け取ったにもかかわらず、1名や2名で調査を行っているケースが該当します。
調査時間の水増し
例えば、探偵に調査する時間を任せる契約の場合、通常なら調査対象者が寝ているであろう深夜から朝までの時間をずっと張り込みしていたことにして調査費用を請求するなど。
調査料詐取
素行調査などの依頼を受けると調査料金を前払いで払わせ、実際には全く何の調査もせずに料金だけ詐取、まともな報告もしない詐欺。
詐欺調査
いかにも詐欺被害金を取り戻せるかのように説明し、実際は返金対策とは関係の無い調査に時間と人員を使い、高額な依頼料を取る詐欺。
債権回収の依頼を受け、料金だけ前払いで受け取って全く何もせず(調査料詐取)、詐欺で逮捕されたというケースがあります。
※関連記事:「やらずぼったくり探偵」が詐欺で逮捕
ちなみに探偵が報酬を受け取って交渉や詐欺被害金回収を行うと「弁護士法違反」の罪となるので、法律上正当な業務では行うことはできません。
(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)第72条
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
探偵事務所を騙る詐欺の手口
正確には探偵による詐欺ではありませんが、探偵事務所を騙っておこなわれる詐欺に以下のようなものがあります。
被害金回収(特殊詐欺)
詐欺被害者のもとに探偵業者を名乗って「被害金を回収する」との名目で突然連絡を入れ、回収料金を振り込ませて詐取する詐欺(特殊詐欺の一種でいわゆる詐欺の二次被害)も行われています。
これは裏で取引されているリストをもとに連絡していると考えられます。探偵が詐欺被害者に連絡を入れて調査を持ちかけることはまずありませんのでこのケースは100%詐欺です。
架空請求詐欺
探偵事務所から「あなたを身辺調査している。あなたにとって都合の悪い情報を手に入れたので依頼者に知られたくなければ調査料を払って欲しい」などという連絡を行い、相手を焦らせてお金を支払わせる手口があります。
実際には調査などしておらず、上記と同じく探偵社から連絡を入れて料金を払えということはまずありませんので100%詐欺だと思ってください。
悪徳探偵に引っかかった場合の対策
クーリングオフ
探偵との契約ではクーリングオフによる解除が可能な場合があります。それは[特定商取引法]における「訪問販売」に該当するケースです。
- 相手方事務所における契約ではない
- 自宅に呼び出しての契約ではない
- クーリングオフに関する条項が契約書にない
相手方事務所ではない場所(喫茶店など)もしくは自宅に呼び出していない場合の契約は「訪問販売」となりますので、契約書面を受け取ってから8日間はクーリングオフが可能です。
また、クーリングオフに関する条項が契約書にない、もしくは不備がある場合はクーリングオフ期間は延長されます。
消費者契約法による取消
[消費者契約法]では契約に際し以下の行為があった場合は契約の取消ができると規定されています。
- 不実の告知
- 断定的判断の提供
- 重要事項における不利益事実の不告知
その他
「自分ではどうすればよいかわからない」という方はまず国民生活センターや弁護士に相談してみてください。