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詐欺のシステム
上記の図は、詐欺グループに使用される典型的(古典的)な詐欺システムです。
詐欺に使われる他人名義の口座・携帯電話・登記などの代表的な道具・システム、架空の住所や私設私書箱を使う手口、常套手段等について記載しています。
振り込め系詐欺(近年では「オレオレ詐欺」や「特殊詐欺」という言い方をされています)を始めとしてこのような詐欺システムが使われ、金銭の詐取には口座振り込みの他、レターパックでの現金郵送、近年では直接受け取りに行く手口や電子マネーの使用などがかなり増えてきているようです。
いずれにせよ詐欺師・詐欺グループは多くの場合、全てではなくともこれらのシステムを部分的に利用していると考えられます。
なぜこのようなシステムを使用するかと言えば、簡単に自分たちの身元が割れないようにするため、アシがつかないようにするため、あるいは偽装をするためなどです。
近年の特殊詐欺グループの詐欺・マネーロンダリングのシステム
近年では特殊詐欺事件において現金の代わりに「電子マネー(Amazonギフト券など)」を詐取する手口が増加しています。
電子マネーを詐取したグループは別のグループに安く流し、そのグループがそれを電子マネー買取業者に売り、マネーロンダリングと同時に差額を収益とするというシステムとなっています。
また、詐欺グループが使用する「IP電話回線」を貸し出している業者がこれらの特殊詐欺グループと共謀関係であるとして逮捕されるケースが出てきており、電子マネーを現金化したグループがそのIP電話回線業者に資金を投入、マネーロンダリングするというサイクルが出来ていると思われます。
詐欺に使用される道具・手口
- 飛ばし携帯
- WEBサイト
- SNS
- アプリ
- 迷惑メール
- レンタルオフィス
- 私設私書箱
- 休眠会社
- 郵便物転送
- 名義貸し(多重債務者など)
- マニュアル
- 偽名
- 各種偽造書類・偽造免許
- 他人名義車両
- 他人名義口座(架空口座)
- IP電話回線
- 電子マネー
- レターパック
- カモリスト
- サクラ(アルバイト) 等
例えばかつての振り込め詐欺では、飛ばし携帯から被害者に連絡をとり、他人名義口座(もしくは架空口座)に振り込ませる、私設私書箱に現金を郵送させたりするシステムが使用されました。
パチンコ詐欺・競馬情報詐欺・交際クラブ詐欺等ではもう少し複雑な手口が使われ、迷惑メールやWEBサイト、サクラを用意、虚偽の会社住所・私設私書箱・ペーパー会社の登記・他人名義の口座・郵便物転送など上記の図のシステムを網羅しています。
現在の特殊詐欺システムを実行するグループはマニュアルを使用し組織化されます。個人詐欺師・詐欺師グループもこれらの道具やシステムを使用するのが常套手段と言えますが、偽造免許や他人名義車両などをケースバイケースで使う詐欺師たちもいるでしょう。
大量のメールアドレスを収集したリストはさまざまな詐欺に誘導する迷惑メールの送り先に利用されます(※ツールによる自動送信が行われているようです)。また、一度詐欺被害にあった人のリストであるカモリストというものがあり、特にカモリストに載っている人は詐欺の二次被害(騙されたお金を取り返します等の詐欺)のターゲットにされているようです。
しかし、これらの身分を偽装・隠匿するための道具は逆に詐欺の証拠となったり、詐欺の加害者たちの情報を収集する手がかりともなり得ます。特に使用する上で契約が必要なものについては、[調査嘱託]の手続きを利用することで契約者(加害者)の情報を割り出すことも可能なのです。